前項では、調理をせずに食べられる「非常食」、お湯を注いだり、少し加熱して食べる「災害食」、いつもと同じ食事が作れる「常用食」など、災害時のいろいろな場面で活用できる食材・食品を切らすことなく、備蓄しておく『ローリング・ストック』のやり方を紹介しました。
今回は『電気の備蓄と補充(ローリングストック)』です。
情報入手に欠かせないスマートフォンやラジオなどのモバイル機器を活かすために用意したいバッテリーを持続的に確保するやり方とバッテリーから使用機器への接続方法を紹介します。
日ごろ私たちは、コンセントにプラグを差し込むだけで、交流100Vが得られることを前提に生活を過ごしています。
しかし、地震災害が起こった時には、家庭に引き込まれている商用電源は、そこに至る電力網のあちらこちらで断線が起きて停電になったり、電気災害を防止するために電力会社が送電を遮断して停電になったりするのです。
さらに、大元の沿岸部にある火力発電所が被災して稼働不能になったり、再稼働にむけた点検で稼働休止する期間は長期にわたると思われます。太平洋沿岸の発電所がダメージを受けた場合に電力会社間の電源系統で日本海側の発電所からの融通があったとしても、送電線の復旧との兼ね合いで、安定した送電に戻ることは長期にわたって望めないでしょう。
そのようなときに、私たちの家庭ではどのように対処すればよいのでしょうか。
順を追って説明いたしましょう。