前項では、家族にとって安心のシェルターであってほしい住宅を耐震の観点から理解するために『住宅の構造』を紹介しました。今回は、住宅内に安全な空間を確保するポイントを理解するために『家具転倒防止』として 家具の挙動~固定方法の鉄則 を紹介します。
最近の住宅では造り付け収納棚や収納専用のパントリーやクローゼットを設けることが多く見られるようになってきました。人の居住空間と収納空間の分離ですね。完全分離はあり得ませんが、接する時間を短くすることで地震災害時の巻き込まれを最小化する効果があります。
しかし、長年住んでいると家具や家電製品が増えてきます。買ってきて床にポンと置いた状態の背の高い家具は、地震の揺れで簡単に倒れてしまい、周囲にいる家族に覆いかぶさってしまいます。自立させている家具は、造り付け家具に近づけるための造作をしておく必要があるのです。
それでは、順を追って説明していきましょう。
(1)家具の挙動
(2)家具の配置で安全空間を作る
(3)家具安定化の鉄則
(4)壁の構造
(5)家具固定の鉄則